オリコン一位

CDが売れないご時勢で、初動80万は嬉しい限り。そういや最近こんなに大きな数字を、懇意にしている娘たちから見てないから、なんか複雑だなぁ。
にしても、このアルバムは、腹八分目という言葉の意味を知るいい材料である。聞き手に余裕を残すというのは、簡単なように見えて、実はとても難しい。余裕はややもすれば、物足りなさになってしまうからだ。その余裕を形成している要因は(1)曲数、(2)血の管→空風の帰り道の流れ、(3)HERO、である。特に、このHEROという曲は、なんとも不思議である。曲の力はものすごいのだが、それは大きな力という形容ではなく、被包化されずに迫り来る粘性の高い物質という形容が、今の自分には最大限である。曲としての完成度を感じずにはいられないのに、なぜか、次の曲を求めてしまう。まるで、焼肉を食べに行ってデザートを食べるかのごとく。だけれども、それがないということが、すばらしい安定性を保っている。
まだ楽しめる。